青森県の方言は総称は青森弁ですが、その青森弁は津軽弁と南部弁という二つの流れに分かれ、その境界はかつての津軽藩と南部藩の歴史が色濃く反映されています。
青森の西部に響く津軽弁の言葉は、その調子が速く力強い一方、東部に広がる南部弁の言葉は、ゆったりとした柔らかな調べを持って居るのが特徴です。
この二つの言葉は、発音や語尾の使い方、さらには単語の選び方においても大きく異なり、その違いは時に聞き手にとって理解が難しいほどです。
では、それぞれの方言の早口言葉であったらどうでしょうか。
その、聞き手にとって難しいのか方言の言葉、それが早口言葉であると、理解のハードルが高くなりる思います。
このサイトでは、その津軽弁と南部弁の早口言葉と特徴を説明させていただきますので、早口言葉を知っていただけると嬉しいです。
津軽弁の早口言葉の特徴
津軽弁の早口言葉の魅力は言葉で織り成され、その短く切り捨てられる音節とリズム感が特徴的です。
この言葉の響きは、まるで音楽のリズムのように聞こえ、早口言葉に適した素材を提供します。
また、津軽の言葉では、「べ」や「ども」といった助詞が意味や感情の強調に使われることが多く、これらが早口言葉にも巧みに取り入れられ、津軽の言葉独自の風合いを生み出しています。
これらの早口言葉をスムーズに言いこなせる人は、その言葉の魅力を存分に味わっていることでしょう。
例えば、以下の津軽の早口言葉は、言葉の使い方と助詞の組み合わせが見事に調和し、津軽の言葉のリズム感と表現の豊かさを感じさせます。
5回、噛まずに言えますでしょうか。
津軽弁の早口言葉の魅力
津軽の言葉が紡ぐ早口言葉には、ただ速さだけではなく、その地の文化や人々の暮らしが色濃く反映されている魅力があります。
言葉一つ一つには、津軽地方の風土や日常生活、さらには心情が織り込まれているのです。
たとえば、津軽地方で愛されるねぷた祭りに因んだ早口言葉では、
「ひょっとこ」という言葉が繰り返されます。
これは、祭りで見られるお面の一つを指し、この早口言葉を唱える際には、まるでひょっとこのお面をかぶったかのように、顔を歪めて笑う動作が伴います。
このような早口言葉は、単なる言葉遊びを超え、地域の伝統や文化を今に伝える貴重な役割ですね。
津軽の早口言葉には、その地域ならではの楽しみや、人々の暮らしのエッセンスが詰まっています。
・津軽弁の早口言葉例文:祭りの言葉遊びパターン
ひょっとこひょっとこひょっとこ、
ひょっとこひょっとこひょっとこ、
ひょっとこひょっとこひょっとこ、
ひょっとこひょっとこひょっとこ。
津軽弁の早口言葉:例文
では、津軽弁の早口言葉の例を紹介させて頂きます。
・例文
しゃべればしゃべったってしゃべられるし、
しゃべんねばしゃべんねってしゃべられるし、
どうせしゃべられるんだば、
しゃべんねでしゃべったってしゃべられるより、
しゃべってしゃべられだってしゃべられだほうが
いいってしゃべってたってしゃべってけ。
・この早口言葉の標準語の意味
話せば話したって言われるし、
話さなければ話さないって言われるし、
どうせ言われるんなら、
話さないで言われるよりは、
話して言われる方が良いって言ってたって、
言っといてね。
どうでしょうか、地元では通じるかもしれない早口言葉の例文でしたが、初めて聞くと何がなんだか?分からないですよね。
文字で書くと多少は理解し易いですが、この文字でなく実際の地元のイントネーションと言葉の音声だけであれば、超難問、ある意味呪文のように聞こえるほど、聞き手を悩ませる早口言葉ですね。
5回、噛まずに言えましたでしょうか。
津軽弁の早口言葉と他の地域との違い特徴
津軽弁の特徴と魅力は独特の発音と用語にあります。
東北地方の方言全般に共通する音の特徴を持ちながらも、津軽弁は独自の発音変化や特有の言葉を多く持っています。
例えば、語尾のカ行やタ行が濁音化するなどの現象は、津軽弁特有のものです。
さらに、津軽弁には他地域では聞かれない独特の表現が豊富に存在します。
「どさゆさ」といった言葉は、その一例であり、津軽弁ならではの言い回しを示しています。
これらの独自性が、津軽弁の早口言葉を他の地域のものと一線を画するものにしており、聞く者に新鮮な驚きや発見があります。
南部弁の早口言葉の魅力
南部弁の特徴と魅力は、南部地方で話される独自の方言で、速く話すと聞き取りにくくなる魅力があります。
南部弁の特徴として、語尾に「~けろ」「~すけ」「~さまえ」などの敬語がよく使われ、母音が短くなったり伸びたりすることが挙げられ、南部弁の早口言葉は、その独特の響きとリズムが魅力的です。
南部弁の早口言葉:例文
では、南部弁の早口言葉の例を紹介させて頂きます。
へればへったってへられるし、
へんねばへんねってへられるし、
どうせへられるんだば、へんねでへられるより、
へってへられだってへられだほうがいいって、
へってだってへってけ。
(意味)
しゃべればしゃべったってしゃべられるし、
しゃべらなければしゃべらないってしゃべられるし、
どうせしゃべられるんだから、
しゃべらないでしゃべられるより、
しゃべってしゃべられたってしゃべられた方が
いいってしゃべってだってしゃべってくれ。
この早口言葉は、自分の意見を言わないと他人に言われることを表現しています。
言っておほうが良い、というメッセージが込められた南部弁の早口言葉でしす。
もう一つの南部弁の早口言葉例
おめぇさ、おめぇさ、おめぇさ、おめぇさ、
おめぇさ、おめぇさ、おめぇさ、おめぇさ、
おめぇさ、おめぇさ、おめぇさ、おめぇさ、
おめぇさ、おめぇさ、おめぇさ、おめぇさ。
訳:
あなたは、あなたは、あなたは、あなたは、
あなたは、あなたは、あなたは、あなたは、
あなたは、あなたは、あなたは、あなたは、
あなたは、あなたは、あなたは、あなたは。
この言葉は、「あなたは」という意味の南部弁で、相手に言いたいことがあるのに言えない時に使用されます。
16回も「おめぇさ」と繰り返すことで、言葉を言わない苦悩や躊躇を表現しています。
南部弁の早口言葉は、地域独自の言葉遊びであり、南部弁話者の誇りとも言えるものです。
青森県の南部弁話者は、この早口言葉を使って自慢する楽しみを味わってみるのはいかがだったでしょうか。
まとめ
青森の方言である青森弁は津軽弁と南部弁の異なる地域での言葉でしたね。
津軽弁は西部で話し速く力強い調子を持ち、南部弁は東部で広がり、柔らかな調子がある、発音、語尾、単語選びなどの違いがあり、聞き手にとって理解が難しい方言です。
さらに、津軽弁の早口言葉は音節の切れ目やリズムが特徴的で、助詞を効果的に使って表現が豊かでねぷた祭りに因み、南部弁は南部地方の方言で、速く話すと聞き取りにくい特徴もありました。
是非、早口言葉をチャレンジしてみてはいかがだったでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございます。