「あらず」はどこの方言?、意味、語源、使用例まで徹底解説

方言一覧

この記事では、「あらず」がどこの方言で、どのような意味かなど、例文を交えて紹介しています。

 

「あらず」という言葉、聞いたことありますか? 

 

古文や文語などでよく使われる言葉でもあり、テレビの時代劇で耳にするこの言葉ですが、標準語の「~ない」「~ではない」という意味です。

 

普段の日常会話では、なかなかが使う、聞くことが少ない言葉でもあります。

 

この記事で、「あらず」の魅力に触れながら紹介しますので、最後まで読んで興味を持って頂けると嬉しいです。

「あらず」の方言の意味は?

方言たろう
方言たろう

 「あらず」の意味を紹介しますね。

「あらず」という言葉、皆さんはお聞きになったことがありますか?

 

この言葉、実は古くから日本語に存在する表現で、現代の標準語で言えば「~ない」「~ではない」という否定する意味の言葉です。

 

例えば、「これあらず」と言えば、「これではない」という意味になります。

 

「あらず」は、何かが存在しないことや、ある状態ではないことを表現すり時によく使われる言葉です。

 

現代の日常の会話ではあまり使われませんが、文学作品や歴史的な文章の中でよく見かける言葉です。

 

すなわち、「あらず」は、主に文語や古文で使われる表現です。

 

現代語では、「~ではない」「~ではありません」という形で表現されることが多いですが、「あらず」を使うと、より古風で格調高い印象を印象を与える言葉となります。

 

例えば、「これ我が求むるところあらず」(これは私の求めるところではない)のように使うことや、「あらずんば」(~でなければ)という形で制限や条件を表すこともあります。

 

他に「あらず」には、古風で格調高いニュアンスの例文があり、例えば、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」(虎の穴に入らなければ、虎の子を得ることはできない)という有名な諺にも使われています。

 

つまり、この言葉を使うことで、話し手の教養や、言葉に対する繊細さを表現することができる古風な言葉です。

(大見出し)「あらず」のことはどこの方言?

方言じろう
方言じろう

「あらず」は特定の地域の方言では無いんです。

知ってました?

実は、「あらず」は特定の地域の方言というわけではありません。

 

この言葉は、古語や文語として全国で使われてきた表現ですが、方言のように一部の地域で似たような言葉が存在しています。

 

例えば、九州の一部地域では「あらん」という形で使われることがあります。

 

これは「あらず」が変化したものと考えられています。

 

また、東北地方では「ね」(ない)という言い方をすることがありますが、これも「あらず」の変化形の一つとされています。

 

他に、「あらず」は各地域で少しずつ形を変えてきた言葉が存在します。

 

例えば:

・関西地方:「あらへん」「おへん」

・九州地方:「あらん」

・東北地方:「ね」(ない)

・四国地方:「のうて」

 

このように、元々は同じ「あらず」という言葉が、古代の言葉が地域によって異なる形で残っているのです。

(大見出し)「あらず」の方言の語源は?

「あらず」の語源はといいますと、古代日本語にさかのぼります。

 

この言葉は、動詞「あり」(ある)の否定形として生まれました。

 

古代日本語では、動詞の否定形を作る際に「ず」という助動詞を使いました。

 

つまり、「あり」+「ず」で「あらず」となったのです。

 

この形は、平安時代(794年-1185年)の文献にも多く見られ、時代による変化を見てみると次のようになります。

 

「あらず」は、時代とともに少しずつ形を変えていきました。

 

・古代:「あらず」

・中世:「あらぬ」「あらん」

・近世:「ない」「ねえ」

・現代標準語:「ない」「ではない」

 

「あらず」は、時代とともに少しずつ形を変え、現代では「ない」や「ではない」という形が一般的になりました。

 

しかし、「あらず」という形も、文語や格言の中に残っているのも興味深いですね。

「あらず」の方言を使った例文と意味

方言たろう
方言たろう

「あらず」の言葉例文で説明しますので、読み進めてくださいね。

「あらず」は現代の日常会話ではあまり使われませんが、古文や文学作品、格言、諺などでよく見かけます。

では、いくつか古文や文学作品の例を見てみましょう。

 

・「是非あらずんば、是非にあらず」

(これが是か非かでなければ、是非の問題ではない)
意味:物事の本質を見極めることの重要性を説いています。

 

・「虎穴に入らずんば虎子を得ず」

(虎の穴に入らなければ、虎の子を得ることはできない)
意味:危険を冒さなければ大きな利益は得られないことを表しています。

 

・「急がば回れ」

(急ぐのであれば、回り道をせよ)
意味:慌てて直進するより、落ち着いて遠回りする方が結局は早いという教えです。

 

・「知らざるを知らずとせよ」

(知らないことは知らないとせよ)
意味:自分の無知を認めることの大切さを説いています。

 

逆に、現代では、「あらず」そのものを使うことは少ないですが、その意味を現代語で表現することはよくあります。

 

例えば:

・「これは私の求めるところではありません」
(これ我が求むるところあらず)

 

・「そうでなければ、成功はありえない」
(然らずんば、成功あるべからず)

 

このように、「あらず」の言葉のニュアンスや意味を、現代語で表現することができます。

 

ただし、「あらず」を使うことで表現される格調高さや古風な雰囲気は、現代語では完全に再現することは難しそうですね。

「あらず」の類義語の方言を使った例文と意味

「あらず」以外にも、似たような意味を持つ方言や古語がたくさんあります。

いくつか見てみましょう。

 

・「あらへん」(関西方言):「ない」「ありません」

例:「そんなもん、うちにあらへんで」
(そんなもの、うちにないよ)

 

・「のうて」(四国方言):「なくて」「ではなくて」

例:「あれのうて、これやろ?」
(あれではなくて、これでしょ?)

 

・「ねえ」(東日本の方言):「ない」

例:「お金ねえよ」
(お金ないよ)

 

・「あらん」(九州方言):「ない」「ではない」

例:「それはそうあらん」
(それはそうではない)

 

つまり、これらの言葉は似ているように見えますが、使う地域や場面によって大きく異なってます。ね。

 

「あらず」は文語や格言で、「あらへん」は関西の日常会話で、「のうて」は四国の方言で、というように、地域ごとの言葉として異なってます。

 

一方で、「あらず」を使うと、古風で格調高い印象を与えることができますので、現代だからこそ使ってみたい言葉かもしれませんね。

 

まとめ

いかがでしたか?

 

「あらず」という言葉ですが、日本語の奥深さや面白さが見えてきたのではないでしょうか。

 

「あらず」は、「ない」「ではない」という意味の古語でした。

 

現代では主に文語や格言で使われますが、その変化形は各地の方言として生き続けています。

 

今の現代だからこそ、「あらず」を使うことで、文章に格調高さや古風な雰囲気を表現できることができるかもしれませんね。

「あらず」の言葉を覚えて古風な表現にチャレンジはいかが。

是非使ってくださいね!

 

 

タイトルとURLをコピーしました